【読解】お金2.0 ◆お金の正体
-世の中は「お金」「感情」「テクノロジー」の3つのベクトルで未来の方向性が決まっている。
[ お金 ]
学校でお金の仕組みを教わることはないし、学問的な賢さが生活力に直結するわけでもない。それは、経済が学校や学問の世界とは違うルールで運営される競技だからである。
「金持ち父さん 貧乏父さん」というお金に関する有名な書籍がありますが、そちらでも大部分のページを割いて「学校で一生懸命勉強しても将来貧乏に喘ぐ人が大半」といった話を繰り返してます。学校の成績や学問的な知識は経済力に直結しないということです。
[ 感情 ]
共感を得られる思想は集団を形成します。人は嫉妬や羨みなどマイナスな感情を持つ一方、共感や献身といったプラスの感情を持ち合わせています。
ある一定の共通意識が形成された社会で、人々の反感を買うような事業は生き残れず朽ちてしまうということです。お金は人の感情を無視して成るものではないのです。
評価経済という言葉に当てはまる考え方です。
[ テクノロジー ]
多くの人々はテクノロジーを気にしないで生活していますが、いつの時代も新しい技術は人々の生活を大きく変えてきました。ある新しい技術が生まれると、連鎖的に新しい技術やサービスが生まれます。電気、半導体、人口知能など新しい技術が生まれるのと同時に経済が大きく動いていることは説明せずとも感じられるかと思います。
竹中平蔵さんという方が「世の中は連立方程式のようなものだ」と話しています。
未知数x,y,zをそのまま「お金」、「感情」、「テクノロジー」と当てはめると、全ての均衡が取れなくては社会という方程式は成り立ちません。
お金2.0ではこの3つのベクトルに関して順番に深掘りをしていきます。
【読解】お金2.0 ◆はじめに
金融や経済の課題をテクノロジーで解決するFintech
Bitcoinをはじめとした仮想通貨
Airbnbやmercariなどのサービスに代表されるシェアリングエコノミー
お金が信頼・信用と共に動く評価経済
...などのキーワードが去年あたりからかなりホットになってきました。
この20年で検索エンジンやSNSが出現し、テレビや新聞といったメディアによる一方通行な流れから、送り手と受け手が相互に作用し合う流れへと「情報」のあり方は大きく変化しました。
そして今、資本主義から【価値主義】へ「経済」のあり方が変わろうとしています。
「お金がないから」という理由でやりたいことが制限され、理不尽な思いを幼少期から抱いていた著者は、この本を通じて「お金の正体」を解き明かし、理解してもらい、使いこなして問題を解決して欲しいという願いを語っています。